カイツブリという鳥をご存知ですか?あまり聞いたことがないという人も何となく聞いたことがあるという人もいるかもしれませんが、実は昔から日本で親しまれてきた身近な鳥でもあります。実は鳥にも関わらず、水に潜ってエサをとるのが得意な鳥なんですよ。
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水に潜るのが得意なカイツブリ
カイツブリの特徴
カイツブリは一見カモのように見えますが、実は全く違う鳥で、カイツブリ目カイツブリ科カイツブリ属に分類される留鳥です。全長26~29cmとカイツブリ目の中でも小型です。カモ類よりも胴が短く、小型で、くちばしが尖っています。全体的に丸っこい体をしていて、尾は殆どありません。足の指にあるひれ状の弁で水を掻いて水中を移動します。
オスメス共に同色で、夏羽と冬羽で色が変わります。夏羽は暗褐色で首から上は赤褐色をしています。冬羽は夏羽に比べて淡色になり、上面は褐色、下面は淡色をしています。くちばしの根元に黄白色の部分があり、目は黄色で目立っています。ひなには縞模様があります。
ケレケレと大きな声で鳴くほか、繁殖期にはキリリリ…と高い声でけたたましく鳴きます。
カイツブリの生態
湖沼や流れの緩い河川、ダム湖やため池に住みます。一年中見られますが、北日本では冬になると暖地に移動します。ヨシなどの植物や杭を支えに水上に浮いたような巣を作ります。
産卵期は2~10月で、つがいで水辺植物の葉や茎、藻類を集めて直径50~60cmの球状の巣を作ります。巣の上部は3~5cmしか出ておらず、巣の大半は水中にあります。一度の産卵で2~6個の卵を産み、20~25日で孵化します。
肉食で水の中に潜って食事をします。主に魚類、甲殻類、水生昆虫、貝類など動物性の食事を好みますが、ヒシの実のような植物性の食事もとります。驚いたときや逃げるときなども水に潜ることが多く、陸に上がることは殆どありません。
なわばり意識が強く、一年中なわばりを形成してつがいで生息します。
古くから人々に親しまれている水鳥
ポピュラーなカイツブリ
カイツブリはユーラシア、アフリカ、オセアニア大陸の温帯地域の水辺に広く生息しています。日本でも比較的ポピュラーな鳥として全国に分布しています。都心部の公園などでもよく見られ、場所によっては人馴れしていることも多く、バードウォッチングの初心者にとっても見つけやすい鳥でもあります。
親鳥はヒナが孵化して数日すると巣からヒナを連れて離れていきます。ヒナは自力でも泳げますが、疲れてくると親鳥の背中に乗り、翼の下に入って保温します。
愛されるカイツブリ
古くから琵琶湖で見られ、鳰(にお)という名前で知られていました。琵琶湖にはカイツブリ科の鳥が多く、琵琶湖の古名は「鳰の海」でした。現在でも琵琶湖ではカイツブリの保護が盛んで、滋賀県の県鳥として制定されています。
また埼玉県三郷市の市の鳥としても市民公募により制定されており、カイツブリをモチーフとしたマスコットキャラクター「かいちゃん&つぶちゃん」がデザインされました。
カイツブリの名前の由来について
「カイ」は水を「掻き」、「ツブリ」は水に潜るのが得意なことから「潜(むぐ)り」とする説、「カイ」を「たちまち」、「ツブリ」を水に潜る音が転じた音とする説など、諸説あります。
カイツブリの古名である鳰は水に入るのが得意な鳥であることを意味しています。
まとめ
カイツブリについてまとめてみました。
親鳥の背中に乗っているヒナを見かけたら何だか癒されそうですね。比較的日本中で見られる留鳥なので、次の休みにはどこかの水辺にカイツブリの親子を探しに行くのもいいかもしれません。
よく田んぼにいるのを見かける「サギ」についてはこちら >>水のある場所ならどこでもいる!「サギ」
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