セキレイという鳥をご存知ですか?近年スズメに代わって都会で増加傾向にある鳥なので、名前と姿が一致しないだけで実は知っているかもしれない鳥です。スズメと違って人間を恐れないので、車で引きそうになったこともあるかもしれませんね。
今回は「生息域が急拡大中『セキレイ』」についてまとめてみました。

生息域が拡大中のセキレイ

セキレイの特徴

セキレイはスズメ目セキレイ科に属する鳥の総称のことを言います。日本では主にハクセキレイ、キセキレイ、セグロセキレイの3種類が見られますが、近年スズメに変わって増加傾向にあるのがハクセキレイです。

ハクセキレイは全長21cmで頭から背は黒か灰色、腹と翼は白色をしていて、くちばしから目、後頭部にかけて黒い線が入っています。オスは夏になると背面が黒くなって白黒の鳥になります。メスも夏になると黒っぽくなりますが、オスほどではありません。体型は細長く、尾羽も長いのが特徴で、地上では常にその尾羽を上下に振っています。

セキレイの生態

ユーラシア大陸のほぼ全域に生息しています。日本では近年北海道から生息地域が南下しており、現在では四国、九州でも繁殖が記録されています。海岸、河川、池沼などの水辺や、農耕地、駐車場、道路など他の鳥が生息しないような無機質な場所でも生息しているのを見ることができます。都市に住むハクセキレイは日没が近くなると駅前のビルなどに続々と集まり、集団でねぐらをとります。

年に1~2回繁殖し、5~7月に人家の隙間や地上の窪みに巣を作ります。1度に4~5個の卵を産み、主にメスが温めます。
水生昆虫や小さな虫、蜘蛛、ミミズなどを捕食し、時にはトンボを空中で捕まえることもあります。雑食性で植物性のエサを食べることもあります。
チチッチチッと澄んだ声で鳴き、上昇したり下降したりして波型に飛びます。

「逃げない鳥」と言われるセキレイ

逃げない鳥?

道路や駐車場などでトコトコ歩きながらエサを捕る姿はよく見られる光景です。人を恐れず、人間が近づいても距離をとることはあっても逃げることはあまりありません。スズメに比べるととても警戒心の薄い鳥でもあり、逃げない鳥とも呼ばれます。

他の鳥に混じって人間からエサをねだったり、人間の食べ残したものを食べたりもします。

ホバリングするセキレイ

セキレイはホバリングが得意な鳥です。高い場所でホバリングしながらエサの捕りやすそうな場所を探し、地上で虫などを掘り起こして食べます。
また垂直に飛び上がって空中にいる昆虫をキャッチするのも上手です。

セキレイを保護したら

ヒナの場合

特に都市部において数が増加傾向にあるため、保護するケースが増えています。地面に落ちているヒナを見つけたときは、親がすぐ近くで見守っていることもあります。大きなケガをしていたり明らかに弱っていたりする場合をのぞき、そのまま放っておきましょう。

ヒナはこの時期にエサの捕り方や飛び方を親鳥から教わるため、下手に連れて帰ってしまうと学ぶ機会を失い野性に帰ることができなくなってしまう恐れがあります。

自然に返すことを前提に

人間の手で育てるのは意外と難しく、エサ不足や栄養不足によって死なせてしまうことも少なくありません。野生に戻ったときのことを考えて、できるだけ自然にいる昆虫を与えるようにしましょう。

セキレイは地上や水辺の昆虫を歩いて捕食し、飛んでいる虫も空中で捕食します。羽根のある昆虫や水辺にいる昆虫も与えるようにしましょう。
それでも弱っていたり様子がおかしかったりする場合は獣医さんに相談しましょう。

まとめ

セキレイについてまとめてみました。
あまり意識していなかったかもしれませんが、実は見たことがある鳥、それがセキレイかもしれません。「スズメの子」、ならぬ「セキレイの子」になる日も遠くないかもしれません。

 

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