ことわざや俳句でもよく出てくるスズメは私たち人間にとってとても身近な鳥です。よく見ると可愛らしい姿をしているものの、あまり希少価値がないために目にも留めないでいる、そんなありふれた存在でもあります。けれども実は近年、スズメの数が減少傾向にあることはあまり知られていません。

数が減ってきているスズメ

スズメの特徴

スズメはスズメ目スズメ科に属する鳥です。全長14.5cmほどで、背面は茶褐色、背中と肩に黒の縦斑があり、胸より下は白色をしています。草の種子を食べるために短くて太いくちばしをしています。成鳥のくちばしは黒く、幼鳥のくちばしは黄色っぽい色をしています。

スズメの生態

ユーラシア大陸に広く分布しますが、北部の寒冷地、南アジアや西アジアには生息しません。北アメリカの一部やオーストラリアには人為的に輸入されたものが分布を広げています。
日本では北海道から沖縄まで各地で生息しています。市街地、住宅地など人家のある場所には必ずいる一番身近な鳥だと言えるでしょう。屋根瓦の下、建物のすきま、鉄柱の中、巣箱などに営巣します。

イネ科を主食としますが、昆虫類も食べます。農村では稲の被害があって害鳥と考えられていましたが、近年は対策が講じられて稲被害が少なくなってきています。
チュンチュンと可愛らしい声で鳴き、両足を揃えてピョンピョンと跳ねて移動します。

数が減りつつあるスズメ

スズメは長い間留鳥だと考えられていましたが、実は留鳥の他に、100キロ以上もの渡りをする集団がいることがわかりました。非繁殖期は群れをなし、特に夏から秋にたくさん集まりますが、繁殖期に入ると番いで行動するようになります。

スズメというとどこにでもいる鳥というイメージが強いかもしれませんが、実は近年その数が減少傾向にあります。今すぐに絶滅するという危険があるわけではありませんが、もしかしたら近い将来、スズメの保護が本格的に叫ばれる日が来るかもしれません。

小さいわりには気性が荒い

気性の荒いスズメ

見た目は小さくて愛らしいスズメですが、実はとても気性が激しいことで知られています。繁殖期の初めにはよく異性を巡る争いを繰り広げ、食事を巡る争いもたびたびあります。
また小さな蛾が特に好物で、猛禽類のように両足で蛾を捕まえる姿は、愛くるしい一面からは想像がつかないかもしれません。

意外なスズメの一面

スズメは砂遊びや水浴びが大好きです。砂場や河原の砂の窪んだ場所を見つけるとそこに入って羽を激しくバタバタさせたり毛づくろいをしたりします。ですが実際は遊んでいるわけではなく、羽毛についたダニやシラミといった寄生虫を取り除くために行っていると考えられています。

スズメを保護したら

ヒナの場合

ヒナが道に落ちていた場合、まず周囲に巣や親鳥が近くにないかを確認しましょう。この時期のヒナは飛ぶことや自分でエサをとることを学んでいるので迂闊に手を出してしまうと成長の妨げになり自然界を生き抜く術を奪ってしまいかねません。保護しなければ死んでしまうかもしれない状況である場合のみ保護しましょう。

保護したら

成鳥のスズメの場合、まずは安全な場所に移して様子を見ましょう。基本的にスズメも鳥獣保護法により捕獲・飼育が禁止されています。明らかに様子がおかしい、大けがをしているという場合はお住まいの自治体や獣医さんに連絡をして相談するようにしましょう。

まとめ

スズメについてまとめてみました。
スズメは私たち人間が住む場所には必ずと言っていいほどいますが、人間に懐くことはまずありません。そんな不思議な関係ですが、やはり人間の住む風景にはスズメがよく馴染みます。いつまでも人間とともにいてほしい存在ですね。

 

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